珍道具の複雑な矛盾:日本の使えない発明品の芸術
こちらの動画で紹介されているのは、英語でも「chindogu」と呼ばれて知られている日本の愉快な発明品たち、「珍道具」。具体的な道具を紹介するというよりは、「珍道具」の概念を生み出した川上賢司さんの考え方などに焦点を当てて説明している。
出典:https://youtu.be/i_r6uZBQulo
- 「傘としても使えるネクタイ」「かゆい場所をピンポイントで伝えるために背中にマス目の書かれたTシャツ」…こういう道具は雑誌の広告で見かけそうですが、実際には販売されていません。販売されていないということがポイントなのです。使えるようで使えない不思議な道具たちは、「珍道具」と呼ばれる日本の発明です。
- 「珍道具」の考案者は川上賢司という奈良出身の男性。航空宇宙工学を学んでいましたが学生運動に熱心になり、最終的には雑誌の編集者になりました。川上さんは、消費主義的な通販を嫌っていました。
- ある時、川上さんは雑誌の余ったページに、目薬を差す用の漏斗や、ソーラーパネル式で明るい時しか使えない懐中電灯などの発明品を「珍道具」として掲載し、人気が出たのでレギュラー連載になりました。これが英語雑誌の編集者ダン・パピアの目に留まり、英語圏読者からも人気を博しました。
- 英語雑誌には毎月読者から珍道具のアイデアが届きました。これを受けてパピアさんは「International Chindogu Society(国際珍道具学会)」を作り、珍道具の10原則を定めました。
- ①珍道具は実際に使えてはならない②珍道具は存在しなければならない➂アナーキー精神がなくてはならない④珍道具は日常的に使う道具でなければならない➄珍道具は販売してはならない⑥ユーモアだけを理由に珍道具を作らないこと➆珍道具はプロパガンダであってはならない⑧珍道具はタブーであってはならない➈珍道具で特許を取得してはならない➉珍道具に差別があってはならない
- 川上さんは、珍道具については、「産業革命と同じであるが、多くの発明品は生活を便利にする一方で、珍道具は以前の製品に比べて大きなデメリットがあって売ることができない発明品の落第者」と語っています。
- 国際珍道具学会のメンバーは1万人近くになり、伸びるバタースティックなど様々な発明が生み出されました。パピアさんはイギリスの発明者と共同で新たに珍道具を集めた雑誌を刊行し、日本でも世界でも人気が出ました。
- これにより、川上さんは世界的に有名になり何度もインタビューを受けました。ときには、自撮り棒のように、珍道具が商用化の道をたどることがあり、川上さんは良く思っていませんでした。川上さんは決して発明品で特許をとらない姿勢で、取材で入ってきたお金はすべて寄付に回しました。「特許の世界は汚く、欲望にまみれている」とも語っていました。
- 雑誌の刊行以降のアメリカでの珍道具人気は、すぐに低下しました。しかし、川上さんは、珍道具が人々の消費主義への抵抗を高めると希望を持っています。
- 「ヨーロッパではアーティストとみられ、カナダやオーストラリアでは科学者だとみられ、中国や香港ではなぜ発明品で儲けないのかと訊かれました。しかし日本とアメリカではパーティーグッズを作っていると思われていました。日本とアメリカでは考えないように訓練され、新しいもので生活を便利にすることに執着しています。私たちには創造する力がありますが、問題は社会がこの力を破壊してしまうことです。もし発明品が笑われたとしたらそれで結構です。笑うことによって、社会を否定できると信じています。」
海外の反応
・名無しさん@海外の反応
トイレに座ってる時に大儲けできるアイデアがいくつも浮かんだと思う時はいつでも、尻を拭く段階になるとそれはまた単なる「珍道具」だったことに気づく。
・名無しさん@海外の反応
>笑うことによって、社会を否定できると信じている
これで宗教が作れるよ、納得した!!!
・名無しさん@海外の反応
こういうたぐいの美学はまさに今必要。自分たちのために考える。社会を笑う。
・名無しさん@海外の反応
あのソーラー発電懐中電灯は天才。🔦
・名無しさん@海外の反応
自撮り棒は使えない発明だって知ってたよ。
・名無しさん@海外の反応
ねえ、あの伸びるバタースティック欲しいんだけど。
・名無しさん@海外の反応
深く魅了された。これまでは「なにそれ?」だったのに。人生を変える動画だ。
・名無しさん@海外の反応
これはこういう製品に関する多くの疑問に答えてくれた。使えなくない製品かもしれないけど、その裏にはかなりの意味がある。
・名無しさん@海外の反応
これはすごくいろいろ説明してくれたねw 川上さんたちのルールがかなり破られてて残念。
・名無しさん@海外の反応
珍道具って発明の世界への参加賞みたいな感じがする。
・名無しさん@海外の反応
この人がカナダをアメリカとひとくくりにしなかったのが嬉しい!!!うん…かなり大きな違いがある。
・名無しさん@海外の反応
珍道具って概念そのものが珍道具。
・名無しさん@海外の反応
あのバタースティックは実際アメリカでは人気商品なの知ってる。
・名無しさん@海外の反応
あの背中を掻くためのTシャツは実際にある。友達がずっと着てた。
・名無しさん@海外の反応
あのバターチューブはぶっちゃけかなりいいアイデア。
・名無しさん@海外の反応
この人の本の英語訳があるといいな。
・名無しさん@海外の反応
珍道具とわびさびには何か関係がある気がする。
・名無しさん@海外の反応
川上さんはまさにアナーキストだ。素敵なことだよ!!
・名無しさん@海外の反応
つまり川上さんは科学者になりたかったから、パーティーグッズだと考えるのは馬鹿らしいのかwww
・名無しさん@海外の反応
珍道具って今まで聞いた中で一番馬鹿らしいものかも