大日本帝国―スパイコメディ?-第二次大戦
こちらは第二次世界大戦時の各国の諜報活動に焦点を当てた英語圏向けの解説動画シリーズの1エピソードで、今回は日本軍の情報活動について紹介されている。動画の中ではかなり「失敗事例」が強調されていて、コメント欄にも様々なリアクションが届いている。
出典:https://youtu.be/kyZX7xKVEFk
- 1942年。米国検閲局は、米国からブエノスアイレスに送られて未開封のまま返送された不審な手紙を発見。これは日本軍が在米のスパイあてに送ったものだったが、届けるのに失敗したものだった。
- こうした失敗は当時の日本軍に典型的で、当時の日本の参謀将校も「適切なシステムや、分析部門、情報源を欠いていた」と諜報活動が不十分であったことを記している。
- 1942年以前は、これよりもましだった。太平洋での米海軍の行動や、アジアに敷かれた情報網、酔った海兵への質問、米国の大学の語学官、神官が鳩に取り付けたカメラなどから日本は情報を得ていた。
- 米国は日系アメリカ人をスパイの疑いで収容したが、実際のスパイは彼らではなかった。1933年、スタンフォード大学の留学生であった宮嵜俊男は、スパイとして雇うための米国の元軍人を探し出し、諜報活動を行わせた。
- こうした方法で集めたスパイのほか、枢軸国側の国々の人員や、戦争が起こる前に連合国側の国で働いていた英語を話せる人材などが情報活動に取り組んだ。
- 日本の海軍の第3艦隊には敵側と共謀する人物を見つけ出す専門の「特務機関」があった。
- 1940年の三国同盟結成後は、ドイツやイタリアからもスパイ人材を手に入れられるようになり、その中には家族ぐるみで巧みに情報を聞き出した者もいた。
- しかし、宮嵜たちスパイは1936年にすでにFBIに逮捕されていた。1940年には米軍は日本の外交暗号を解読し、翌年には1人のスパイから関係者6人があぶりだされた。
- こうしたスパイは逮捕されたものの、彼らの持っていた情報の7割は公に公開されているものであることが明らかになった。スパイたちは、米国の新聞や雑誌を毎日チェックして情報を得ていたのである。
- こうした情報収集は、当時日本の海軍が知識を持っていなかったタイプの兵器が写真の背景に映っている場合などは実際に役に立つこともあった。
- 米国内からスパイたちが立ち去った後、日本軍は捕虜からの情報収集に頼ることになり、拷問が行われることもあった。
- 当時の日本軍の情報活動の問題点として、「事実よりも決定権を持つ上層部の意向が重視される」ということがあった。情報活動を訓練する学校はあったものの、階級を重んじる「国体学」の考え方のため、情報活動における柔軟性が不足していた。
- このため、海軍に届いた情報は、ありえない数の艦艇を撃沈したことになっている・同じ艦艇を何度も撃沈しているなど間違ったり誇張されたりしていることが多かった。
海外の反応
・名無しさん@海外の反応
これは戦争についてあまり調べたことのない側面だった。興味深いね。
・名無しさん@海外の反応
連合国側の情報戦の優位性は港にいるスパイよりも軍用無線を解読し解析していたおかげだと知ったら日本人はさらに恥ずかしく感じただろうな
・名無しさん@海外の反応
ある特定の軍務については頑なで、そのほかには不器用だったことを考慮すると日本は戦時中にどのぐらい優位に立とうとしていたのだろうかと不思議に思うことがある。
・名無しさん@海外の反応
日本の情報活動とイタリアの軍隊にこれぐらいの「効率性」があって世界は幸運だったね。
・名無しさん@海外の反応
素晴らしいエピソードだった。日本の文化的な高慢さが戦時中の努力にダメージを与えた。敵の文化的な歴史を知らなかったり無視したりすることは、戦争の目標に悪影響を与える。
・名無しさん@海外の反応
日本は大好きで、素晴らしい国で、9回行ったことがあるし友達も現地にたくさんいるけど、情報活動がこれだけ悲しかったことには驚かない。今でも日本にはゆがめられた、心の閉じた考え方がある。
・名無しさん@海外の反応
はあ…米国に秘密忍者集団がいなかったなんてチャンスが台無しでがっかりだ。
・名無しさん@海外の反応
世界で唯一同じ船を4回撃沈することのできる海軍、日本海軍w
・名無しさん@海外の反応
現実を目標に合わせようとすることは目標を現実に合わせようとすることよりも難しい。
・名無しさん@海外の反応
これはすごい…この情報活動のひどさがすごい。クレイジーだ…
・名無しさん@海外の反応
7割の情報が公開されたものだったっていうのは、そんなに珍しいことじゃないよ。
・名無しさん@海外の反応
つまりメンツを守る文化は情報活動にとってあまりよくないのか。
・名無しさん@海外の反応
豆知識。1945年までのソ連に対する日本の情報活動は、ポーランドの情報部隊との協力のおかげでかなりの成功を収めた。
・名無しさん@海外の反応
かなりいい動画。戦時中の日本の情報活動についてかなり新しいことを学んだ。
・名無しさん@海外の反応
現実を拒絶したことが日本をどれだけ終わりなく苦しめたかというのが面白い。教訓を学んだ。現実を現実として受け入れてその現実に行動を合わせよう―自分の希望に合うように現実を捻じ曲げるのは災いのもとだ。
・名無しさん@海外の反応
情報活動は常に公の情報に頼るものだよ。7割は控えめな数字だ。