日本の軍国主義―暗殺による統治
こちらの動画は、英語圏の歴史解説チャンネルが投稿した日本の近代の軍部台頭を解説するシリーズの第4回。今回は、満州事変勃発や、立て続けに起こったクーデター・暗殺事件など国内激動の時代を説明している。
第3回まではこちら → https://kaigaino.net/archives/13975
出典:https://youtu.be/gKXRPjYcNuU
- (動画冒頭では、満州事変勃発の際に日本軍の中将が外で銃撃が起こっていたものの状況を理解せずホテルで芸者の演奏を楽しんでいた、というエピソードを紹介)
- 満州で起こっている戦闘について当時の首相は軍部に情報を求め止めさせようとしたが、軍部からは応答をもらえなかった。しかし戦闘は大規模になっており、日本は朝鮮半島からも兵を派遣した。
- さらに、日本国内では軍部のプロパガンダの影響もあり民衆が戦争を支持し、戦争反対派は罰せられた。
- 満州事変勃発から2か月もたたない間に、超国家主義結社の桜会が、首相官邸を爆撃するクーデター計画を企てた。しかしこの事件はほぼ内密に抑えられ、実行者たちは厳しい処罰を受けることはなかった。
- こうした愛国的な動機による事件は当時あまり罰せられず、「下剋上」の行為はある程度尊敬された。当時は高等教育まで進む日本人は少なく、複雑な政治情勢を理解できず過激派を支持することも多かった。
- 翌年2月には、井上日召という仏教と国家主義を融合させた信条を持つ活動家が、政治家や社長、一般人の過激派などから「血盟団」を結成。血盟団は政治や経済の重要人物の暗殺を行い、その後首謀者の井上を含め団員は逮捕された。
- 満州における戦争を止めようとした当時の犬養毅首相は、裏切り者のレッテルを貼られた。満州国の成立も認めなかった犬養首相は、最終的に海軍将校に殺害された。
- 血盟団も首相を殺害した海軍将校も、巧みに裁判をプロパガンダに利用した。裁判官が実は共産主義者だとメディアに伝えさせ、辞職に追い込んだ。
- 次に就任した裁判官は右派で、こうした殺害事件の実行者たちを純粋に愛国的だとした。事件の実行者たちの解放を求めて血で手紙を書く人々も現れた。
- 検察官は「いかなる理由であれ殺人は殺人」と犯行者たちの死刑を求めた。しかし、犯行者たちは懲役15年を課せられるだけにとどまり、検察官は圧力により辞任した。
- イギリスの報道者は、この出来事を「government by assassination(暗殺による統治)」と呼んだ。
海外の反応
・名無しさん@海外の反応
どの国の話でもファシズムの台頭を学ぶのは常に面白い。特にそのイデオロギーの亡霊が消え去っていない場合は。
・名無しさん@海外の反応
こういう軍国主義者たちの行動によって結果的に日本には真の軍隊がなくなったっていうのが面白い
・名無しさん@海外の反応
犬養毅首相を暗殺した海軍将校たちは首相に招かれて日本を訪問中だった俳優のチャーリー・チャップリンの暗殺も計画してた。暗殺が起こったときにチャップリンは運よく首相の息子と相撲を観に行ってて、無事に逃げられたんだ。
・名無しさん@海外の反応
このシリーズを作ってくれてうれしい。アメリカで暮らしてて歴史についてはほぼ北米とヨーロッパ中心だからこの小さな歴史の枠の外の歴史を知れてとてもうれしい
・名無しさん@海外の反応
欧米でどんどんと過去のことを和解したいと考える人と恥ずべきことなどなかったと否定する人の間で意見の相違が出てきている中で、現代の日本人が自国のあまり輝かしくない過去についても学んでいるといいね。
・名無しさん@海外の反応
すげえ。これって攻殻機動隊2期のストーリーの元ネタだよね。現実の出来事のより幅広い文脈が知れて最高。
・名無しさん@海外の反応
もうこうなると満州事変だけで別シリーズ作れる
・名無しさん@海外の反応
どうしてこれがうちの学校の世界史や政治の授業で教えられてないのかが本当に気になる。これは私たちや将来の世界の指導者たちが学ぶ必要があるタイプの歴史の教訓なのに。
・名無しさん@海外の反応
政治暴力を愛国心の名において正当化するのは繰り返されるテーマだね。
・名無しさん@海外の反応
第一次世界大戦の歴史のあとにこれを聞く。現代の人類を見て、クレイジーだって呼ぶのは控えめだと思う。
・名無しさん@海外の反応
日本の歴史の興味深い部分。当時こんなにも多くのことが起こっていたなんて知らなかった
・名無しさん@海外の反応
現代の人がこういうことの再発を防ぐための歴史学習を十分にしているとは思えないから軍部の日本乗っ取りは恐ろしい。
・名無しさん@海外の反応
究極の奇襲だ。自国を驚かせた。
・名無しさん@海外の反応
このシリーズはすごく面白い。このトピックがほとんど話題にならないのが信じられない。
・名無しさん@海外の反応
日本政府の過激化はかなり現在のアメリカの政治情勢と共通点があると感じる。政治家が行う不正行為を取り締まる法律がほとんどもしくは全くなくて暴力が美化されることが社会の中で広まりつつあるように感じてる。
・名無しさん@海外の反応
プロイセンは「国家を持つ軍隊」と呼ばれるけど、このシリーズを観ていて日本も同じ方向に向かっていたように思える