日本からの早期の訪問者が書き記した「不可解な」アメリカ文化//(1872年)岩倉使節団
こちらの動画では、岩倉使節団の一員としてアメリカを訪れた久米邦武による見聞録が英語版で海外の視聴者に紹介されている。動画の中では、黒人の扱いやキリスト教についても触れられており、視聴者たちから様々な感想が集まっている。
出典:https://youtu.be/kfpeq4kak3g
- (※詳しくは、動画内の字幕アイコンから日本語字幕で確認できます)
- 【カリフォルニアに到着】
- 船が近づいて霧が晴れると、ゴールデンゲートの山並みが見えてきた。日本を離れてから初めて見た陸地で、喜びを言葉で表すのは不適切だった。
- ホテルの部屋にはスプリング付きのやわらかいベッドやレースのカーテンなどがあった。西洋諸国のホテルはみんな同じような様相なので、細かく記す必要はないだろう。
- 東洋の人々は富にも無頓着で商業を重要な関心ごととみなしていないが、西洋の人々は、社交的に活動するのを好む。小さな町にさえ公共の庭園が存在する。
- ユタからワイオミングにかけては、広大な荒野が広がっている。途中には先住民の家も点在していた。
- アメリカの人口は日本と同じぐらいであるが、土地は何十倍も大きく、今でも開拓が進んでいると考えると日本の農民が怠け者に思えてしまう。
- 【ワシントンDCにて】
- 使節団に対して大きな花束が贈られた。アメリカの法はゆるく、外国からの訪問者でも門番に妨げられることなく簡単にホワイトハウスを見学させてもらうことができた。アメリカ人はヨーロッパの兵士に守られた宮殿に対し、古風で非民主主義的な慣習だと冷笑している。
- 黒人向けの大学も訪れた。アメリカでは内戦の果てに黒人がほかのアメリカ人と同じ自由を獲得した。とはいえ、まだ白人と黒人は分離されており、その差は透き通った水と泥水のように明らかだった。10年、20年ほどたてば、才能ある黒人が活躍し、怠け者の白人が挫折することも想像できなくはない。
- 次は郵便局へと赴いた。日本への荷物を届ける手続きをしてもらった。日本人が西洋と聞けば遠い銀河のように感じるが、西洋の商人にとっては、世界は1つの都市のようなものだ。
- アメリカ人の慣習で最も不可解なのは、男性が女性に仕えるということだ。夫が妻の荷物を持ったり、乗り降りを手伝ったりする。少しでも妻の不機嫌を感じたら愛を示して謝る。日本の子の親に対する態度もこのようなものに移し替えられれば、改善するかもしれない。
- 【ニューヨークへ】
- 聖書協会を訪れた。アメリカ人全員が聖書を持っているわけではないが、彼らにとって聖書は酸素のようなものだ。外国人に対しては、常に宗教のことを質問する。信仰を持たないものは未開の地の異教徒で法律を守らないと考えがちである。
- 聖書の中には、十字架にかけられた罪人の驚くような物語が出てくる。この男の像があちこちにあり、まるで墓の横を通り過ぎるような感覚になる。これは奇妙な慣習ではないだろうか?しかし、西洋人はキリスト教を信じない東洋人を奇妙に思っている。
- 西洋人は神をあがめることに誠実で、それがもととなって努力してお互いに協力する。東洋の信仰とどちらが奥深いとは言えないが、西洋人の誠実な慣行と比べると、恥を感じざるを得ない。
- アメリカ人は、外国人を家族や友人のように扱ってくれる。都市だけでなく、周辺の町も楽しませてくれた。出発の際は、お見送りのごちそうをふるまってくれた。
- 今回の旅をまとめると、アメリカは、国全体がヨーロッパの文化を取り入れながらも自立した精神を持っていた。
- すでに富裕な商人や大企業が支配し尽してしまったヨーロッパの土地において独立したいという思いに駆られた人々が、アメリカのリーダーとなり発展と成功を導いてきた。
海外の反応
・名無しさん@海外の反応
一番お気に入りの部分は、ホテルはみんな一緒だから次行こうってところ。
・名無しさん@海外の反応
>東洋の人々は富にも無頓着で商業を重要な関心ごととみなしていない
ああ、なんと時代の変わったことか。
・名無しさん@海外の反応
当時のアメリカ人が訪問者を簡単にホワイトハウスに入れて、セキュリティーを装った古風で非民主主義的なヨーロッパ人のやり方をバカにしていたのにショックを受けた。
・名無しさん@海外の反応
アメリカに行きたいんだけど、いつもニュージャージーで立ち往生だ…
・名無しさん@海外の反応
驚いたのはこの歴史家が亡くなったのが1931年で、今でも100歳に近い人はこの人を知っている可能性があるということ。
・名無しさん@海外の反応
ワイオミングは変わってないみたいだね。4日間ドライブしても集落や人が目に入らない。
・名無しさん@海外の反応
日本からの使節「欧米人は男が水をワインに変えて、その人が神の息子だと思ってるw」
同じく日本からの使節「天皇家は月の女神の子孫だ」
・名無しさん@海外の反応
↑太陽の神だろ
・名無しさん@海外の反応
「この人たちの宗教はものすごく奇妙だけど、うまくいってるみたいだな」
・名無しさん@海外の反応
あのイエスに対する部外者の鈍い感想は非常におかしかった。こういう風に日常的で、当たり前のことが違った角度で分析されるのを聞くのって好き。この世界って、立ち止まって考えてみるとすごく、すごく奇妙だよな。
・名無しさん@海外の反応
「ゴールデンゲート」っていうのを橋の名前だと思ってたことに恥ずかしくなった
・名無しさん@海外の反応
これはかなり素晴らしい。
・名無しさん@海外の反応
成功者の黒人やキリスト教に対するリアクションがいいね。
・名無しさん@海外の反応
同じような時期に日本を訪れたアメリカの使節か何かの記録が知りたくなった。
・名無しさん@海外の反応
当時のアメリカ人が政府の建物を警備するのがおかしいって思ってたっていうのが興味深い。
・名無しさん@海外の反応
「おお、弥助がたくさんおる」